[Vol.26]大楠山ハイキング

[Vol.26]大楠山ハイキング

三浦半島最高峰の大楠山は、多くの生物が生息する自然豊かな山です。標高が241.3メートルと低山ではありますが、関東100名山の第100番目でもあり、作家の司馬遼太郎も「街道をゆく」で山頂からの眺望を記しています。今回は大楠山清流の前田川を歩きながら、山頂を目指してハイキングを楽しんできました。

● update 2016.9.9 ●
気温30度を超すこの季節、ひんやりと涼しい前田川を歩きながら、
大楠山のさわやかな風に吹かれよう、といつもの仲間と集まりました。
前田川遊歩道

「前田川遊歩道」の看板が目印。川では、親子の遊ぶ姿も見られました

清涼感ある前田川の沢歩きを楽しむ

久しぶりに山に登ってみない?という話になり、梅雨明けのタイミングを見計って三浦半島最高峰の大楠山に登ることにしました。
今回は、大楠山に登る5つのコースの中から、前田川の沢歩きが楽しめる「前田橋コース」を歩きます。


「前田橋」バス停で下車し、住宅地の中に少し入るとすぐに「前田川遊歩道」の看板が見えます。ここから階段を降り、前田川沿いに歩いて「大楠山登山口」を目指します。

前田川は、大楠山の沢の水や湧き水などが集って流れる清流で、自然環境が残された数少ない河川のひとつです。

川には多くの生物や植物が棲み、アユやスジエビなどの他にカワセミも生息しています。
木道や飛び石などが歩きやすいように整備されていて、魚が遡上しやすいように岩の段差を考慮した魚道が設けられているなど、環境への配慮がされています。

夏でもひんやりと涼しいために、散歩をしている方も多く、じゃぶじゃぶと川に入って生き物を探している親子連れを何組か見かけました。

連れてきた柴犬も大喜び。元気に飛び石を渡ります

連れてきた柴犬も大喜び。元気に飛び石を渡ります

歩き進めると景色が徐々に野趣あふれるようになり、山の中に入ってきたことが実感できます。
岩肌の苔の緑が美しく、せせらぎと鳥の鳴き声を聞きながら気持ちよく歩くことができました。

前田川は、大楠山の沢の水や湧き水などが集って流れる清流で、自然環境が残された数少ない河川のひとつです。 マイナスイオンたっぷりの前田川

マイナスイオンたっぷりの前田川

清流を堪能したらいよいよハイキングコースです。

清流を堪能したらいよいよハイキングコースです。


渓谷沿いの道から緑豊かな樹林帯へ

「前田川遊歩道」を30 分程歩くと「大楠山ハイキングコース」に入り、山道となります。
山の中に入ると、緑の色がより濃くなり、蝉の声が一段と賑やかになりました。

大楠山ハイキングコース

登山道は整備されていますが、土や岩肌があらわになりシダ植物が生い茂る秘境のような趣の場所もあります。

土や岩肌があらわになりシダ植物が生い茂る秘境のような趣の場所もあります

ハイキング中は、森林浴と足元の野の花に癒されます。

ホタルブクロ、ヤブミョウガ、ナツズイセン、ミズヒキ

ホタルブクロ、ヤブミョウガ、ナツズイセン、ミズヒキ

周りの樹木も常緑樹だけでなく、コナラやクヌギ、オオシマザクラなどの落葉樹も多いので、紅葉の季節もまた楽しそうです。
「大楠山レーダー雨量観測所」が見えてきたら、頂上まであと少しです。

大楠山レーダー雨量観測所

「大楠山レーダー雨量観測所」では、春には菜の花、秋にはコスモスが楽しめます

観測所から10分程歩くと大楠山の頂上です。
頂上は360度視界が開けていて、その素晴らしい眺めに息をのみます。

展望台の西側からは、先程の大楠山レーダー雨量観測所と相模湾越しの江の島が見える

展望台の西側からは、先程の大楠山レーダー雨量観測所と相模湾越しの江の島が見える

三浦半島の先端の東側には東京湾と房総半島が、西側に見えるのは伊豆大島です

三浦半島の先端の東側には東京湾と房総半島が、西側に見えるのは伊豆大島です

かつて、作家の司馬遼太郎もこの大楠山に登り、著書に記しています。

最高峰の大楠山にのぼってみた。
ただし三浦半島でのことで、大楠山の標高は二四一.三メートルしかない。
でありつつ、その山頂からの眺望は、日本国のどの名山よりもすぐれている、という。

(司馬遼太郎 『街道をゆく42』)
三浦半島の先端の東側には東京湾と房総半島が、西側に見えるのは伊豆大島です

北側のはるか向こうには横浜の街が見えました。天気が良ければ、スカイツリーも見えるそうです

周囲に視界を遮るものがなく、山頂でさわやかな風に吹かれると爽快な気分になります。
景色を楽しんだ後は、山頂の売店で休憩です。

景色を楽しんだ後は、山頂の売店で休憩です

下りは「大楠芦名橋コース」を歩き、次の目的地であるSYOKU-YABO農園を目指します。


大楠山麓のSYOKU-YABO農園

頂上から1時間程で麓にあるSYOKU-YABO農園に到着しました。
農園では、無農薬・無化学肥料の野菜作りをしている他に、園内の青空屋台で収穫された野菜を味わうことができます。今回はお昼の休憩で立ち寄ることにしました。

畑を中心に青空屋台や子どもたちの遊び場、屋外アート、屋外ステージなどワクワクする風景が目に飛び込む

門をくぐると、畑を中心に青空屋台や子どもたちの遊び場、屋外アート、屋外ステージなどワクワクする風景が目に飛び込む

青空屋台は、糅飯(かてめし)と味噌汁が昼の定番メニューです。糅飯とは、季節の野菜、海藻類、雑穀などの混ぜご飯のことで、SYOKU-YABO農園では、郷土食、伝統食を大事に考えているため、混ぜご飯ではなく糅飯と呼んでいるそうです。


早速この糅飯のセットをいただきました。
注文の際に、メニューの中から糅飯の種類を選ぶと、味噌汁の味噌を全国40種類の味噌の中から選んで作ってもらいます。

畑を中心に青空屋台や子どもたちの遊び場、屋外アート、屋外ステージなどワクワクする風景が目に飛び込む

ボリュームたっぷりの糅飯と味噌汁の定食。デザートは豆乳と葛のプリン。お茶も数種類から選べる(左が紅葉茶、右が柿の葉茶)

SYOKU-YABO農園

SYOKU-YABO農園

スポットで見る

神奈川県横須賀市芦名2-1700
☎ 090-8879-1931
http://syoku-yabo.com/

青空の下でいただくご飯はとても美味しく、調理方法を伺うと調理の際の化学調味料や食品添加物は一切使用していないそうです。どの料理も素材の味をしっかりと味わうことができ、食材、素材を大切にする思いが伝わってきます。ハイキングで疲れた身体に染み入る美味しさでした。
大楠山の深い森に囲まれながら、美味しい食事が味わえる素敵な農園です。


自然豊かな大楠山を1日歩いてみて、参加者全員が心地よい疲労感とその自然を体感できた満足感に包まれました。
みなさんも、葉山から少し足を延ばして、四季折々の風景が楽しめる大楠山に訪れてみてはいかがでしょうか。

葉山から少し足を延ばして、四季折々の風景が楽しめる大楠山に訪れてみてはいかがでしょうか

【参考文献】
・司馬遼太郎(2009)『街道をゆく42 三浦半島記』朝日新聞出版

今回のハイキングコース

大楠山ハイキングコース

①前田橋遊歩道(お国橋) – ②大楠山登山口 – ③大楠山レーダー雨量観測所 – ④山頂広場 – ⑤SYOKUYABO農園

第24回葉山芸術祭 第24回葉山芸術祭

アクセス

前田橋遊歩道

JR逗子駅前の5番バス乗り場から「横須賀市民病院行」のバスに乗車し、「前田橋」で下車


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